The Angler

始まりはカナダそして鮭釣

中島 裕治さん

1994年ナチュラルの中島からの誘いで、カナダブリティッシュコロンビア州の釣り旅に同行したのが、事の始まりでした。

もともと登山やスキーなどのアウトドア・アクティビティーが趣味でしたが、当時釣りとは全く無縁でした。

そんな自分が釣りの旅に興味を持ち同行した主な理由は、滞在先がカナダBC州ケローナ在住の著名な登山家、加藤幸彦さんが経営するペンション「ドン・カトー」である事でした。

この年の釣りの計画は、大河フレーザー河で紅鮭を釣ることでしたが、自分は全くの素人ですので取り敢えず手っ取り早くて簡単なルアー釣りで挑む事に決めました。

早速ケローナの釣具屋でサケ釣りのタックル一式を買い込んで、加藤さんのキャンピング・カーに乗り込み一路フレーザー河へ向う。

フレーザー河は、自分の河の概念を遥かに超えた茫洋とした水の世界でした。

ここの釣りは、ガイドが強力なエンジンを装備したモーターボートを駆使し大河を縦横に移動しながら鮭の群れを追う豪快なスタイルです。

鮭釣の第1日が始まるが、雄大な風景の中を悠然と流れ茫洋とした大河を前にして何をどうしたら釣れるのか勝手がわからず、手ほどきされたとおりにひたすらスプーンと呼ばれ金属片を投げてはリールに巻き取る行為を終日くり返すがその日は何も起こらず終わりました。

翌日、タックルの扱いに慣れて、ルアーを投げる動作も無意識のうちに出来るようになました。そうすると不思議なのもで、気持ちにも余裕が生まれあたかも大自然の中で瞑想している様なゆったりした感覚になっていました

 

そんな中、突然手許に衝撃がはしりロッドが大きく曲げ込まれて一瞬にしてさっきまでの静寂は吹っ飛んでいました

それからが大変です。

ロッドから伝ってくる未知なる生物の暴力的な強い引き、今まで経験した事のない強烈な緊張と興奮に満ち溢れた息詰まるやり取りの連続。

どのくらい時間がたったのでしょうか、やっと河岸に赤く色づいたレッド・サーモンの魚体が現れた時には極度の腹痛でその場におもわず座りこんでいました。

気が付くとガイドが「Congratulations Yuji!」と言いながら手を差し伸べていました。

このサケ釣りの鮮烈経験がきっかけとなって釣に目覚めてしまい、翌1995年カナダBC州スキナー水系のコーホー・サーモンとスティール・ヘッドの釣り、1996年カナダNB州のアトランティック・サーモンの釣りと遠征を重ねてゆきました。

その一方、国内でサケ・ます類の釣りが部分的に解禁されている事を知り早速情報を集めシロザケ、カラフトマス、サクラマスなどの日本の鮭を求め各地に釣りに出かけるようになりました。

そんな事で、すっかり鮭釣の面白さにはまってしまい、今では鮭釣用のツーハンド・ロッドを何本も用意してスペイ・キャストの練習までする有様です。

「それではあなたの釣の腕前は?」と問われれば、相変わらずトーシローの域であります、今の自分の信条は「釣れなくとも良し、釣れたら上出来」ぐらいにかんがえています。

実は、昨年某川にサクラ鱒釣に単独で出かた折、大増水の中、無謀にも胸上まで立ちこみ見事に奔流に飲み込まれてしまいました。もはやこれまでと覚悟をきめました。

寸前のところで川に張り出した木の枝にくらいついて、奇跡的に三途の川から生還できました。

自然の力を侮ってはなりませんね、まだまだ修行がたりません。

My Favorite :  B&W パラボリックライト 16′ #10-11

20118月 ナチュラルにて)